世界で働ける環境を求めてCBCへ。
海外管理部門として、存分に世界中を飛び回ってきた。
そんな彼が語る、世界の魅力と新たな決意。
言葉は通じなくても、
本気は伝わる。
背後から向けられる冷ややかな視線。ひそひそとオフィスを飛び交うイタリア語。言葉の意味は分からなくても、私たちがよく思われていないことは伝わってきました。念願だった初めての海外駐在は、まさに逆境からのスタートでした。
駐在先は当時CBCが買収したばかりのイタリアの某医薬メーカー。高い技術力を持ちながら、経営人材が不足していたために、数年赤字続きの会社でした。私たちの任務は財務や経理、原価管理の知識に基づき、経営を立て直すこと。しかし、イタリア語も話せない、業務もわからない日本人が急に現れたわけですから、最初は歓迎されないのも無理はありません。
それでも、拙いイタリア語で語りかけ、会社を立て直すために毎日遅くまで働きました。私たちは会社を変えるために来た。そのことを行動で伝えようと必死だったのです。そんな姿勢が伝わったのか、スタッフの熱量も少しずつ上がっていき、イタリア2年目で、黒字化を達成することができました。
2年後、目的を果たした私はイタリアを去ることになりました。黒字化より何より嬉しかったことは別れ際スタッフから言われた一言。「トクダさんほど現地人と馴染んでいる駐在員、見たことないよ」という言葉に、思わずうるっとしました。言語や文化が違っても私たちは仲間になれたのです。
ビジネスに真剣なのはどの国でも同じ。言葉は通じなくても、仕事に本気で向き合えば、誰とでもわかり合うことができます。4年前に感じた冷ややかな視線は、温かい拍手に変わって私を送り出してくれました。
海外拠点を究める
入社して23年。そのほとんどを海外管理部門で過ごしてきました。海外拠点の立ち上げやクローズ、さらには投資関係で経営・営業をサポートしながら、問題が起こった際には現地に赴きトラブルシューティングするのが海外管理部門の役割。トラブルがあったらすぐに駆けつけて、戻ってきてはまた飛んで。そんな日々を過ごしていたら、当時約40あったCBCの海外拠点のうち、36拠点を制覇してしまいました。世界で働くCBC社員の中でも、海外拠点の知見はトップクラス。何より、他のどの社員にも負けないくらい、海外のことが好きな自信があります。
海外に行けば、必ず初めて出会う人がいて、初めて出会う文化があります。現地に足を運び、その国、その土地を一つひとつ知っていく。人と話して、文化に触れる。すると、その国のことがだんだん好きになっていく。これがたまらなく楽しい。上海のあの人はどうしているか、イタリアの時の同僚は元気でやっているかなど、拠点を訪れるたび、かつて知り合った人の顔が浮かんでくる。仕事をすればするほど、世界に帰りたい場所が増えていくこの仕事が私は本当に大好きです。
1年前から人事部門に配属され、現在は各種制度の改革、IT化の推進とともに、海外拠点の人事面のサポート体制をつくろうとしています。財務・法務面でのサポートは海外管理部門で数多く経験してきましたが、人事面での海外拠点へのサポートにはまだまだ課題があります。後輩たちが安心して海外に飛び出していけるように、もっとたくさんの国を知って好きになってもらえるように。海外を回ってきた知見を活かして、今度は人事面で土台を築き、世界各国の拠点との連携を強めていきたいです。