100周年を迎えましたこと、
お客様、パートナー、社員とご家族、そしてこれまで
ご支援を賜りました皆様に心から感謝を申し上げます。
CBCの100年を振り返ると、1925年1月20日圡井宇太郎商店として創業し、靴クリーム原料をスタートに、染料、化学品、医薬品と化学品専門商社業務の多角化を展開。1936年には輸出の拡大のために早々とグローバル化に着手し、初の海外拠点となる上海支店を開設しました。
1939年には現在でいう“M&A”(企業の合弁や買収の総称)による事業拡大に時代に先駆けて取り掛かり、次々と系列会社を設立し成長を遂げてきました。そして、創業者である初代圡井宇太郎が逝去し、1970年の大阪万博の年に2代目となる圡井宇太郎・現会長が社長に就任。先代の想いに“ロマン”を加味した企業理念:“企業の永続的成長を通して、社員ならびに家族の繁栄と地域・社会の発展に貢献します”を掲げ、次世代の更なる飛躍を見据えて、独自の“商社”たる大胆且つユニークな企業体を力強く形成していきました。
その後、商社機能とメーカー機能を併せ持つ「開発型創造商社」として光学事業を皮切りに、全く従来の業態と異なるマニュファクチャリング事業に参入。現在では自動車関連、電子材料、IT&ロボット関連、そして特に昨今飛躍が目覚ましい医薬品製造関連事業など、従来の商社事業と二分するマニュファクチャリング事業展開を確立しています。合わせてグローバル化を更に加速し、世界約20カ国50拠点を有するまでになりました。
その過程の中で、石油ショック、プラザ合意による円高不況、不動産バブル、ITバブル、リーマン・ショック、そして東日本大震災など、様々な困難、世界経済の混乱が続き、日本でも多くの企業が倒産や苦悩に直面してきました。しかしながらCBCは、この大変難しいまさに戦乱の時代を圡井会長の51年間の魂のリーダーシップ、モットーである“凄まじい執念と極限の努力”を原動力に成長し続けてきたのです。圡井会長が社長就任した1970年の当社の業績は売上385億円、経常利益7億8300万円であったのに対し、現在のCBCグループの姿と比較いただければ、この100周年を順調に迎えられていることに感謝の言葉しかございません。
CBC人生への決意
私は幼い頃からCBCが夢であり、憧れを抱いて育ってきました。人生の一つの大きな転換期は、1997年大学4年生の時にプロボクサー試験に合格し、プロボクサーライセンスを取得できたことかもしれません。スポーツでもビジネスの世界でも“お金を稼ぐ、いわゆるプロ”の厳しき、大変さを心底痛感させられたとともに、日々の努力の積み上げや自己との闘い、情熱、努力、強い精神力など人生において何よりも大切なビジネスの礎・心構えを学ぶことができた、かけがえのない鍛錬の場となりました。
大学卒業後には日系・外資系のグローバルトップ企業にそれぞれ勤務させていただき、日本の超一流大学や海外の超一流大学を卒業された方々の中で、エリートと言われる人々の能力の高さ・優秀さを目の当たりにし、更なる刺激を受けました。そして、2004年からCBC人生がスタートしました。
“CBCで働けて幸せだった”と、
社員1人1人に思ってもらえる会社でありたい。
CBCに入社する際、“人”が命の商社ですので、一番の不安は社員の能力についてでした。「他の一流企業のスーパーエリートの方々と比べると、残念ながら圧倒的に見劣りするのでは。彼らとCBC社員は本当に対峙できるのか?」と。しかしこの不安は、CBC社員と日々一緒に仕事をしていく中で、あっという間に雲一つない青空のように払拭されました。CBCには本当に優秀で、素晴らしい情熱と能力、会社愛を持った人たちが沢山いて、私はその時に“CBCは間違いなく行けるぞ”という強い自信と確信を持ち、勇気をもらったことを今でも鮮明に覚えています。
また、私は仕事をしていく上で全身全霊、自分の人生をかけて、CBCのために働きたいという決意のもと入社しましたが、同時に、何を礎に、何を想ってこのモチベーションを保っていこうかと迷ってもおりました。
当時、大阪支店の塗料ケミカル部門トップに、強面の名物常務がおりました。その方がいよいよ定年退職される際、最後のお別れの時に、私の手を両手でギュッと握られ、うっすら涙を浮かべられながら「私は本当に幸せでした。人生に1ミリも悔いがない、CBCで働けて家族も含め本当に幸せでした。ありがとうございました。」とおっしゃったのです。その言葉を聞いた時に、“これだ!” 私がまさに求めている自分自身のやりがい・礎は“この言葉”なのだと武者震いしたことをはっきり記憶しています。私にとっての究極の目標、全ての喜びは、社員が卒業する際に、1人1人から“CBCに入社でき本当に幸せでした、ありがとうございました”と言ってもらえることなのだと。帰り際にその常務は「正太郎さん、次の時代を頼むで」とおっしゃられ、笑いながらお別れをしました。残念ながら、この握手が本当に最後のお別れとなってしまい、数年後には病気で他界され、常務にこの100周年の報告をすることは叶いませんでした。しかしながら、この“常務との握手”が、私の人生目標・やりがい・ゴールを改めてクリアにしてくれた運命の瞬間だったのです。この想い、誓いを胸に引き続きCBC社員でありFamilyである皆と一緒にやっていきたいと思っております。
勝ち続ける企業であるために。
全員が同じ方向を目指し、常に挑むこと。
いつの時代も、企業が勝ち続けることは並大抵のことではありません。我々にもこれから幾多の困難が待ち受けていると思います。慢心・過信・驕り・油断に対する自制の心を持ち続けることが、企業永続の重要なキーとなるのではないでしょうか。そしてもう一つ、必要不可欠なのが“飽くなきChallenge精神”です。CBCが今後も成長・発展し、企業理念である“共存共栄 / Dream Together”を果たしていくために、私たちは100周年の節目に新たなスローガンを策定しました。
“Challenges Bring Changes. 挑戦から新しい変革を-。”このメッセージは、時代が変わろうとも失敗を恐れずに変革に挑み続けること、そして絶え間ない挑戦から新たな成長を遂げていく私たちの強い意志を表しています。
2023年12月、大谷翔平選手がドジャースと10年・1000億円を超える歴史的な契約を結ばれました。その時の入団会見でドジャースを選んだポイントを聞かれ、大谷選手はこう答えられました。「勝つことが、僕にとって一番大事なことです。」「オーナー、フロント、チームメート、ファン全員が、勝ちに、同じ方向を向いていることが大事だと思います。」「常に挑戦したいと思っており、ドジャース入団後はそこに対してのチャレンジです。」と。自分の全てを捧げて、それだけ勝利にこだわり、努力を傾け、人生をかけている大谷選手の言葉をお聞きし、企業も全く一緒であると大変感動し、感銘を受けました。そして勝つために最も大切なのは、同じ方向を全員が向いていることなのだと改めて実感しました。CBCも次の100年のスタートに向け、“永続的な成長と発展”、“社員が誇れる強い会社”という同じ目標・方向を全員で目指し、不屈の精神で常に世界にChallengeし続ける、未来に誇れるグローバルエクセレントカンバニーを目指して参ります。CBCの新たな100年に向けたChallengeにご期待ください。