2023年、CBCグループの一員として
一歩を踏み出した日本純良薬品。
水添技術を核に、ものづくりの可能性を究める
スペシャリストに迫る。
INDEX
暮らしのあらゆる製品を、
真ん中で支える仕事。
就職活動中のあなたと日本純良薬品がお会いするのは、実は「初めまして」ではありません。例えば、就活情報を調べるスマートフォン。あるいは、女性なら面接時のメイクに用いるファンデーション。そうした色々な場面で、私たちニチジュンの技術と接しているはずだからです。当社の仕事は、水素還元反応(水添)という技術を駆使して「中間体」と呼ばれる有機化合物を作り、メーカーを通じて世の中に様々な製品を届けること。スマホを例に説明しましょう。まず当社は、原料メーカーから仕入れた原料に水添反応を施し、ポリイミドフィルムという耐熱性の高い電子材料中間体を製造してメーカーに納品します。次に、メーカー側でそれを内部に組み込んだフレキシブルプリント配線板という電子部品を作成。それがスマホに内蔵されて最終製品が完成します。このように、中間体は直接目にする機会こそ多くありませんが、原料と最終製品を真ん中でつなぐ重要な役割を果たしており、それなくしてどんな製品も生み出せません。
ものづくりの根幹を支える仕事ゆえ、中間体の製造は緻密な作業の連続です。まず数グラム単位のラボスケールから開発を始め、段階的に実機での量産へ移行するのですが、ラボ実験では成功したのに実機では歩留まりが悪くなったりと、一筋縄にはいきません。エラーが出たらデータを取って開発に戻し、軌道修正して再度製造にかけて…を繰り返し、1~2年がかりで一つの製品を形にしていくのです。今でもラボの実験通りに上手くできた時はホッとしますし、皆で祝杯をあげます(笑)
ものづくりは、
実験室だけではできない。
実験室にこもって黙々と研究…技術開発職にそんなイメージを抱く方もいるでしょうか。しかし、この仕事で最も大切なのはコミュニケーションです。相手の要望や目的を理解し、自らの意見を的確に伝える。私がその重要性を実感したのは、ある農薬中間体の受託製造に従事した時のこと。前半工程を福井事業所で、後半工程を新潟事業所で製造する2拠点横断での製品立ち上げプロジェクトで、私は新潟に出向して両拠点の統括にあたりました。それぞれの拠点で品質を安定させるための管理ポイントが異なり、かつ普段顔を合わせているメンバーとは違う環境の中で全体を俯瞰した判断を下さなければなりません。過去の経験や思い込みで意思決定するのはやめよう。そう心に決め、細かなデータ採取と検証実験を繰り返しながらスタッフやお客様と協議を重ね、無事に軌道に乗せることができました。
途中で技術的なトラブルにも直面しましたが、現場に立つことで実験室では得られないリアルな知見を獲得できたこと。そして「ものづくりは、生身のコミュニケーションから生まれる」と学んだことは大きな財産です。
失敗した数だけ、
いい製品が生まれる。
「Challenge」2023年にCBCグループの一員となった当社とCBCの共通点を挙げるなら、この一言が浮かびます。CBCが創造型商社として新しい領域へ進出するように、私たちも絶えず未知への挑戦を続けています。例えば、文献では上手くいかないとされる有機反応でも、いざやってみたらセオリーを覆す結果が生まれ、製造工程の短縮やコスト低減につながったケースも。挑戦に失敗はつきものですが、トライ&エラーの蓄積が成長につながりますし、何より1つの成功は全ての失敗をぶっ飛ばすほどの喜びがあります。
当社は「1人1テーマ以上」を基本としており、新入社員であっても製品計画の立案からお客様への説明までを担当します。自分にできるかどうか不安?大丈夫です。仮に最初はできなくても、それは「上手くいかない方法」を学ぶという貴重な経験なのですから。それに、失敗を重ねて生まれた製品の方が、安全面の検証が多くなされているという点で高品質だとも言えます。
水添技術を強みに、CBCグループのマニュファクチュアリング事業の一翼として成長を続けていく。そんな私たちニチジュンの仕事に興味をお持ちになった方、一緒にものづくりの可能性を究めてみませんか?