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国のアイデンティティを保護し、世界に示す ーCBC (Europe) S.r.l.による歴史的遺産保護活動への支援事業ー

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国のアイデンティティを保護し、世界に示す ーCBC (Europe) S.r.l.による歴史的遺産保護活動への支援事業ー
目次

    イタリアに拠点を構えるCBC (Europe) S.r.l.では、2013イタリアの歴史的遺産を保護から修復、管理までを行う現地の非営利財団・FAI(Fondo Ambiente Italiano、イタリア環境基金)のゴールドスポンサーとして、その活動を支援しています。

    古代ローマの時代から、およそ3000年にわたる歴史を持つイタリア。ユネスコによる世界遺産の登録数では中国を上回って世界一位の件数を誇り(2022年5月時点)、それ以外にも数え切れないほどの遺跡や教会が国内に点在しています。そんなイタリアの歴史的遺産を管理する団体であるFAIへ、CBC (Europe) S.r.l.はどういった経緯、そして思いで支援を行うようになったのでしょうか。

    歴史的遺産の保護を通して、文化の体験を提供する

    013_Foto Gabriele Basilico, 04-12-2019 © FAI - Fondo per l'Ambiente Italiano FAIが設立したのは、1975年のこと。イギリスのナショナル・トラスト運動(※)を自らの国にも広めるべく、イタリアの哲学者・歴史学者の娘であるエレナ・クローチェを中心に立ち上げられました。
    ※ 市民が自らお金を払い、身近な自然や歴史的な環境を買取り、保存する運動のこと。

    FAIの主な目的は、イタリア国内の歴史的遺産の「保護と管理」です。
    長い歴史を持つイタリアにとって、その歴史的遺産は、国の伝統とアイデンティティの一部といっても過言ではありません。しかし、今は当たり前にあるものであっても、それらに対して適切な保護が行われなければ、遺産は劣化し、物によっては跡形もなく破壊されてしまうケースも少なくありません。
    そこで、目に見える国の歴史が失われないよう、イタリアの歴史的遺産を管理し、適切なケアとメンテナンスを行うのがFAIの主な役割です。管理の対象となる歴史的遺産は、建造物や遺跡にとどまらず、芸術品や古書など、多岐にわたります。
    0009ST-02_Foto Stefano Casiraghi, 2022 © FAI - Fondo per l'Ambiente Italiano そして、復元・保存した遺産を「一般公開」するまでがFAIの仕事。貴重な歴史的遺産も、保存して人目の届かない所に置いているのでは、その価値を多くの人に知ってもらうことができません。保存している歴史的遺産を一般に向けて公開することで、それを見た人に「本物の歴史に触れる体験」をしてもらいたい。FAIは、文化財の保護活動を通して、楽しく、そして見る人の好奇心を促すような「文化の体験」を提供しているのです。
    また、歴史的遺産の価値は、それを取り巻く場所や環境の価値と不可分なもの。文化財の保護は、その周囲の地域の環境や文化、景観などをまるごと守ることにもつながります。FAIは、遺産の保護活動を通して、地域や環境に対しても副次的な価値も生み出しているのです。
    設立以降、FAIは1,000点以上の芸術作品、40,000冊近い古書の保存活動を行っています。そういった保存対象へ絶え間ないケアを行うため、FAIの400人以上の従業員と、8,000人以上のボランティアスタッフを擁し、イタリア国民や企業からの寄付をもとに運営がなされています。
    そんなFAIへ、ゴールドスポンサーとして2013年から継続的に寄付を行っているCBC (Europe) S.r.l.。どういった経緯で同団体へ寄付を行うようになったのか、そしてCBC (Europe) S.r.l.にとって「歴史的遺産の保護活動」にはどういった価値があると感じているのか。CBC (Europe) S.r.l.のCEOである、Vittorio Veronelli氏にあらためて伺いました。

    「イタリアのビジネスは、国の文化資産と深く結びついています」

    FAIとは、どういった目的・役割を持つ団体なのでしょうか。

    Vittorio氏
    Vittorio氏

    FAIは、イタリアの憲法第9条に基づき、企業家と哲学者の小さなグループによって1975年に設立された、文化財保護活動を行う団体です。 300名近い従業員と、7,800人以上のボランティアスタッフ、19もの地域事務所を持ち、芸術や歴史に精通した、文化資産を保護・管理することに関する卓越した技術を持つ優秀なスタッフが揃っている、「イタリアの美しさを保存し、世界中の人々に示す」活動を体現した組織です。

    Vittorio氏
    Vittorio氏

    イタリアには、紀元前から今にいたるまでおよそ3000年の歴史があります。それを示すものとして、国内には4,000以上の博物館、6,000以上の遺跡、85,000もの教会、40,000の宮殿や城など、歴史的な芸術と遺産が数多く存在します。公式発表では、その価値は1,740億ユーロ(約26兆円)とも言われています。これらイタリアの資産は、次の世代のために可能な限り保存しなければなりません。

    Vittorio氏
    Vittorio氏

    イタリアのビジネスは、こういった我が国の巨大な文化資産と深く繋がりながら発展してきました。例えばイタリアでは、企業の社会的責任の一環として、イタリアの歴史的遺産を保護するための資金援助は、政府から税務的優遇をうけることができます。同様にCSR活動の一環として文化資産保護に取り組む企業も多く、FAIも500以上の企業からの支援を受けています。

    FAIとCBCの繋がりはどのようにしてスタートしたのでしょうか?

    Vittorio氏
    Vittorio氏

    文化財保護に関する関心の高さから、FAIという団体は、イタリア市民にはもちろん、ヨーロッパ全土でも広く認知されています。もちろん私たちも彼らの活動を知っていましたが、FAIとCBCとの間に直接的な繋がりができたのは2012年のことです。CBC本社がイタリアで大きなイベントを行うこととなり、その会場探しをCBC (Europe) S.r.l.に依頼しました。その時に私たちが見つけた会場が、FAIにより管理されていた、コモ湖にあるヴィラ・デル・バルビアネッロ(バルビアネッロ邸)だったのです。

    Vittorio氏
    Vittorio氏

    そのきっかけを通してFAIとCBCヨーロッパはより親密な関係となり、2013年にはFAIのゴールドスポンサーとなりました。FAIの「イタリアの美しい文化財を保存し、それを世界中の人々に提供する」という目的に強く共感し、CBCヨーロッパとしても、文化遺産を後世に残すことに貢献できると考えたのです。 CBCヨーロッパでは、これまでの障害者団体への支援や青少年の薬物依存からの回復を支援するグループなど、地域の社会団体への小口寄付を実施してきました。しかし、会社をあげた本格的な寄付を行うのはFAIが初めてです。

    文化財を楽しみながら、自社の取り組みに誇りを持ってほしい

    スポンサーシップをつないでから、どのような活動を行っていますか?

    Vittorio氏
    Vittorio氏

    近年CBC (Europe) S.r.l.がスポンサーとして参加したのが、FAIによるモロニ宮殿の修復プロジェクトです。 モロニ宮殿はベルガモ旧市街にあるバロック時代を代表する建築物で、これを一般公開し、会議や式典、晩餐会といったプライベートイベントにも利用できるようにすることがプロジェクトの目的です。 FAIはベルガモ県内の全ての企業に声をかけてスポンサーを集め、資金調達をしました。その結果、プロジェクトは総額300万ユーロをかけて行われたそうです。ちょうど同じ時期に、CBC (Europe) S.r.l.もベルガモ県に本社を移転していたこともあり、私たちもこのプロジェクトにスポンサーとして参加することになったのです。

    Vittorio氏
    Vittorio氏

    CBC (Europe) S.r.l.は、移転したことで「ベルガモ県内の企業500社」に第120位でランクインしてします。FAIによる修繕プロジェクトは、今後ベルガモ県内の産業に参加させていただくにあたっても、新顔であるCBC (Europe) S.r.l.として地域の方々にご挨拶をする良い機会になると思ったのです。 それ以外にも、CBC (Europe) S.r.l.はFAIのゴールドスポンサーとして以降毎年FAIに寄付しています。ゴールドスポンサー企業の社員は、FAIが管理する70以上の文化遺産および施設に無料で入場することができ、そういった特典もとてもうれしいところですね。

    最後に、一企業であるCBC (Europe) S.r.l.が、FAIによる文化財保護活動をスポンサーすることにはどのような価値があるとお考えですか?

    Vittorio氏
    Vittorio氏

    CBC (Europe) S.r.l.としては、今後もFAIのゴールドスポンサーであり続け、彼らの活動を支援していく予定です。会社のイベント開催のためFAIにサポートをお願いするなど、これからも密接な関係を持ち続けたいと思っています。 その国における歴史的遺産を後世に残す活動に携わることも、社会的責任の一つです。そして企業によるCSR活動という観点においても、企業がその国や地域に対してどのような貢献をしているかを示すことに、大きな意義があると感じています。

    Vittorio氏
    Vittorio氏

    歴史的遺産の保護は、すべての人に課せられた義務だと考えています。しかしそういった意義の一方で、保護活動を継続的に行うためには多額の資産が必要です。スポンサーシップ活動を通して、CBC社員も、我が国の文化遺産を楽しむだけでなく、その保護活動を自社が支援していることに誇りを持てるようになることを期待しています。

    編纂 文=伊藤 駿/編集=ノオト

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